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末吉日記

マンガとアニメのレビューとプリズムの煌めき

いちそらAdvent Calendar

AdventCalendar アイカツ! アニメ 風沢そら

もういくつ寝るとクリスマス、という時節ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

クリスマス!といえばアイカツ!62話「アイドルはサンタクロース!」です。そして62話とは星宮いちごと風沢そらが初めて出逢ういちそら回――ということで、いちそら:いちごとそらの関係性,にまつわるテキストをアドベントカレンダーにかこつけて、クリスマスまで毎日どんどん書いていこうという企画がいま、スタートしました!!

 

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62話より。

 

www.adventar.org

 

初日である今日は、私のいちそらについてのインプレッションを述べることによって、導入とさせていただきたいと思います。

「いちそら」というカップリングはアイカツ!にあまたあるカプの中でも極めてマイナーな部類に入るといえます。わたしがアイカツで好きなカップリングはいちそら、あかスミ、スミレ×水谷郁子なのですが、体感だとtwitterで水谷郁子の話題といちそらの話題を見かける頻度はほぼ同程度です。ひょっとしたら水谷郁子の方が多いまであるかもしれません。まあどちらにせよ、いちそらはほとんど語られることのない組み合わせなわけです。

好きなカプがマイナーであることの悲しみとして、もちろんその二次創作が少ないということもあるのですが、それにくわえて、そのカプへの解釈が更新されにくく、固定化されやすいということも挙げられます。新たな解釈が編み出されることによりそのカプの裾野が広がってゆき、魅力を再発見するチャンスが増える、というプロセスはあらまほしきものですが、マイナーだとなかなかそういったことは起こりません。

そういうわけで、このアドベントカレンダーを通じていちそらに興味を持ち、いちそらに解釈の光を当ててくださる人が増えれば、ひとりのいちそら愛好者として嬉しく思います。

 

さて、どのカップリングを推すかというのは人によってそれぞれであり、誰もみな直感に「ビビビッときた」カプを推すものですが、改めて私がいちそらのどこにビビビッときたのかについて考えてみますと、私はまず、風沢そらというキャラクターがとても好き、というところから入ったのですよね。アイカツ全178話の中で一二を争うほど61話が好きで、そらとミミの宿命的な別離の物語に心を奪われてしまっていたのです。

 

61話で描かれたのは、そらがミミみたいになろうと懸命に頑張った結果、ミミはそのそらの姿に勇気をもらって旅立ってしまい、結果としてそらは憧れの存在との別離を経験することになった――というそらの過去でした。この喪失、別離というイベントこそが風沢そらという人物の根幹であると61話には描かれているわけです。

それと呼応するように、「恋がうまくいかない」というテーゼがkira・pata・shiningの歌詞に反復しています。うまく進まない私の恋。やがて私の手を離れてゆくあなたへの思慕。「けして依存はしないで」とは、自分に言い聞かせるための呪文のように聞こえます。素足の<あなた>に美しく魅せられようとも、その先にある離別の悲しみを知ってしまっているからこそ、けしてそれに耽溺することはできない。恋することへの「恐れ」を知ってしまっているから、自分の恋に対して全力で突っ走るということができず、自分の欲望とどこか距離を置いてしまう。そういった宿命を背負った風沢そらのキャラクター性というものに、私は強く惹かれていました。

こういった解釈で風沢そらというキャラクターを捉えて、このそらの持つ性質が誰とのカップリングで活きるかについて考えてみるとき、星宮いちごとのカップリングは私にとって最良のものでした。

62話において、そらはいちごの髪をくるんと指に絡ませたあと、いちごに対して、こう語りかけます。

「初めて会った気がしない。エンジェリーシュガーを着たあなたを、ずっと可愛いなって見てたから。」

そらはいちごをずっと――おそらくはいちごがアメリカへ旅立つよりも前からずっと――見ていたのだと思われます。そらがドリームアカデミーに入学するよりも前からずっと、初めて会った気がしなくなるほどに、そらはいちごのことを見つめていたわけです。そもそもそらがこのパーティーをデザインした理由についても、そらはいちごの笑顔をうけて「そういう顔が見たかったから」と語っていることから、このクリスマスパーティーはいちごのことを深く想ってそらがデザインしたものであるといえるわけです。どうすればいちごが笑顔になるか。それについてそらは熱心に考え、パーティーをデザインしたのでした。そのためにそらが利用したのがAngely Sugar謹製のいちごちゃんケーキであったというのは非常に味わい深いものです。媚薬をじょうずにAngelySugarにくるんで、そらはパーティーをつくりあげたというわけです。(このあたりについての細かい論考は後日やります)

62話において、そらが深く愛情を傾ける相手として星宮いちごが描かれているという解釈を見出したことは、私にとって大きなブレイクスルーでした。というのも、私はそれ以前から、64話の福女レースで風沢そらが誰のためにPRドレスをデザインしていたのか?そして何故そらだけが優勝した星宮いちごに対し拍手を送らないのか?という問題について考えていたのですが、これらはそらからいちごへの強い愛情を前提にすればすぐに解ける問題であったからです。そらはいちごのためにPRドレスをデザインし、そしていちごに自分が選ばれなかったことから強いショックをうけて拍手することもできずにいたという読みが、そらからいちごへのクソでかい感情を仮定すれば非常に自然になります。つまり、64話において風沢そらは、いちごに選ばれないという失恋をしているのだといえます。残念だけど、うまく進まないもの。それが、風沢そらの恋なのです。

 

まとめますと、このいちそらという関係は物語を非常に見通しよく読みこむことを助ける読解的ソリューションでありながら、また先に述べた風沢そらの「恋がうまくいかない」というキャラクター性にもマッチする美学的強度を持つカップリングであって、私はその両面に対して強い魅力を感じている、ということです。

 

ここまでお読みいただいてありがとうございました。今日の内容はここまでとなります。

明日以降の予定について軽く説明してお別れにしたいと思います。

※予定なので内容に変更などあるかもしれません。

12/19(月)62話について、風沢そらと天羽あすかの相似点を軸に語ります。

12/20(火)67話・恵方巻き回について語ります。

12/21(水)いちそらと蘭ユリの比較からいちそらの可能性について探ります。

12/22(木)大空あかりなどの風沢そらでないキャラに風沢そら性を見出すことによっていちそらを大量生産する「実質いちそら」論法の可能性(と限界)について語ります。

12/23(金)そもそも風沢そらってなんなんだ…という根源的な問題について語ります。

12/24(土)いちそら二次創作小説を書きます。

12/25(日)予備日

よろしくお願いします。