末吉日記

マンガとアニメのレビューとプリズムの煌めき

【ゲーム日記】unpacking, サロメさんのローテンション配信

6/30の20時、壱百満天原サロメさんが24時からunpackingを配信でプレイすると発表した。

 

unpacking、めちゃくちゃ気になっていたゲームなので、配信はリアルタイムで観たいけどゲームはネタバレ無しで遊びたいな……と板挟みに。解決のために、今晩やろうと思っていたすべての予定をかなぐり捨ててunpackingを即Steamで購入(ありがとうサマーセール)し24時までガンガン進めて配信を迎える。

サロメさんの配信は3時間で終わり、進度で追いつかれることもなく一安心。その後プレイを再開し、計4時間半程度でクリアした。

 

ゲームは、荷ほどきを通じて主人公や一緒に住む人の人となりと境遇を探っていくパズルゲームというもの。パズル自体はそんなに複雑ではなく、とにかく手を動かすことが大事という感じ。ひたすらものと向き合う単純作業の中で、時折、ひとりの人間の人生の物語がふわっと見えるような感覚が独特で面白いゲーム。キャラクターの細かい描写からその人格を類推するような癖がある人にはとてもおすすめです。

 

以下、unpackingのネタバレがあります。

unpackingトレイラー画像

 

 

 

 

 

いちばん心に残ったのは賞状だか学位記だかをベッドの下へ置かないとクリアできない2010年のステージ。これまで主人公のクリエイティブを支えてきた道具たちが、置かれるべき机を失う。持参したちょっと安っぽい道具たちを配置するたび、部屋に予め置かれていた、落ち着いたトーンの調度品に責め立てられているかのような感覚は、このゲームならではのすさまじいものだった。ちょっと泣いた。

その次のステージが実家というのも心をえぐられるものがあった。キャリアを仕舞い込まれ、絵の仕事を続けられなかったであろう主人公があの家を出るということは、生活の基盤がない状態で放り出されるということであって、その傷跡を実家においてきたそっと懐かしのぬいぐるみたちとの再会がる展開には、深い同情心が募ってきた。わたしも実家にはずいぶん長いことお世話になっていて……。深く共感するところがあった。

そこからの展開は正直なところあまりピンとこなかったかもしれない。主人公はおそらく女性のバイセクシャルで、2010年で同棲した男性と2012年までに破局したのち2013年に一人暮らしを始め、2015年に同性のパートナーを迎え入れ同棲開始。2018年には子供をもうけ、エンディング、というのが後半のあらすじなのだが、漠然とよかったねという感慨を抱く程度だった。もっと細かく荷物をみていけば色々と読み出せるのかもしれないが、後半はとにかくオブジェクトが多くて、ちまちまやってたら一生終わらねえ!!!ちゃっちゃとやる!!というリアルの掃除と同じような気持ちで取り組んでしまったので、ひとつひとつの荷物に意味を見出す余裕がなかった……。

 

ゲーム性は唯一無二で、どこかの部屋で箱の荷物を出して並べることでストーリーテリングする体験は素晴らしかった。やってよかったゲーム。一方、ものを配置すること自体に飽きがきてしまうのも事実なので、もうちょっとこまめに報酬くれてもいいのかな~とも思った。

 

おまけ:サロメさんのプレイを観てて思ったこと

  • サッカーボールがあるからといって男の子と推定するべきではない、というジェンダーバイアスについての内省がキュート。
  • 歯ブラシと歯磨き粉をカップに突っ込むのは、個人的には「それできるんだ!?」と思う特殊な操作だったのだけど、サロメさんは当然できるはずって感じでノータイムで歯磨き粉をカップに入れようとしてたしリアクションも薄かったから、既プレイかプレイ動画をどこかで観てたのかな?とちらと思った。
  • 女性が生理について語ることを抑圧しようとする言説に対するしたたかなカウンターが決まっててよかった。
  • 下着について、女性が自分を発奮させるものとしての側面を強調するところは、劇団雌猫を連想させられるアプローチだなと思った。『だから私はメイクする』的な。
  • 劇団雌猫に代表されるような<消費者フェミニズム>について水上文が批判していたな、ということもあわせて連想した。オタク女性が社会からの承認を得るために資本主義的消費に駆り出されるプロセスの限界が批判されていて……というおぼろげな理解しかないため、ユリイカをちゃんと読んだほうがいいのだろう。買った。
  • サロメさんはお嬢様を希求している以上「浪費的フェミニズム」の道から逃れ得ないだろうと思われる。とはいえこれに限界があったとしても、大人気のVtuberでここまで強固な態度で女性に対する抑圧をはねのけようとしている人はいないのではないか(いたら教えてください)と思うので、まだまだ険しい道を切り拓いてほしく、応援したいと思っている。
  • そこに限界があったとしても、サロメさんを観てVtuberになる次の世代の人がサロメさんのフェアネスを希求するスタンスを踏まえつつ、他のしかたで人々を笑顔にしていけるならそれでいいのかなと思った。サロメさんがジェットで整えた道を爆速で行け!Drive It Like You Stole It! www.youtube.com

 

 

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